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「あれ? 村岡さんは?」
「ギリギリなの珍しいですね」
と、キーンカーンと始業のベルが鳴った。
「……鳴っちゃいましたね」
「電車遅れてたっけ?」
「いやたぶん、どこも」
言葉をかわす由紀と川添のもとに課長が近づいてきた。
「村岡さん遅刻? 連絡あった?」
「ないです」
「了解。こっちからかけてみるわ」
デスクに戻って数分。再び二人のところへやって来る。
「携帯出ない。村岡さんち固定電話ないんだよな。二人、メールアドレスとか知らない?」
「いえ」
声が重なる。
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