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「あの……課長」
「ん?」
おそるおそる由紀が申し出た。
「班長、きのう具合悪そうでした」
「あ、臨場のとき?」
「そうです。けど……」
と、そこへつかつかともう一人が歩み寄る。一同が振り返ると、温和な銀縁眼鏡がそこにいる。
「あ、所長」
「おはようございます。あの、実は村岡さんが……」
そこで課長が、いいタイミングとばかりに話し始めたのだが、
「僕ね、昔死体を見たことがあるの」
「えっ」
所長は唐突に言い、三人はぎょっとした。
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