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「まめだったのにぱったり連絡の途絶えた滞納者がいたんだ。訪問しないと、と思いながら忙しくて後回しにしてて、ようやく出かけてったらなんだか異様な雰囲気が漂ってるわけ。そこで、呼び出した大家さんに鍵を開けてもらったら……こうね、ジワッと」
「じわっ、て……何が、ですか」
怖い物知らずの由紀が尋ねた。
「そりゃ色々さ、聞かないほうがいいと思うよ。まあ一生忘れられない臭いだったけど……って、そんな話はどうでも良くて、村岡さんと連絡が取れないんだね。お家まで行ってきてください。もし大事がなければ、それはそれで全く良いことなんだから」
所長は課長に向かって言ったのだが、由紀がすかさず口を挟んだ。
「私、行きます。行かせてください」
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