一人暮らしの効能

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　ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ…………

　目覚ましが鳴り響いている。なぜ鳴っているんだろう。止めないからだ。なぜ鳴っているんだろう。朝だからだ。

　朝。朝……？……仕事！

　真千子は体を起こそうとしたが痛くて動かない。少し頭を持ち上げて理由が分かった。畳んだ布団にもたれたまま意識を失っていたのだ。理由はさっぱり思い出せない。ひどい頭痛を抱えたまま由紀の運転で事務所に帰りその後家までたどり着き……そこで記憶が途切れている。

　ピピピ、ピ、ピっ……ぴっ。

　不規則に響いて途切れた。遠目で見やると画面は真っ暗で、もしかすると電池切れ。目覚ましが鳴ったのなら始業は三時間後で、遅刻か欠勤の連絡をしなくては。しかし、頭が痛い、体も痛い、意識がもうろうとする、寝転んでいるのに倒れそうにくらくらする……真千子は再び意識を失った。