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ドアノブの回る音がした。その時真千子が感じたのは、恐ろしさなどよりも圧倒的な安堵だった。
「班長……、村岡さーん! お邪魔します! 鍵あいてたので! すみません!」
視界に由紀がうつった。部屋を見渡し、奥で倒れている真千子を見つけ急いで駆け寄ってくる。
「班長!」
真千子は抱き起こされた。由紀の体は冷えていて気持ちが良い。
「大丈夫ですか、しゃべれますか」
頭を緩く横に振る。喉が乾いて声が出ないのだ。
「たぶん……もしかして軽く熱中症かな……これ飲めますか」
鞄から出てきたスポーツ飲料を渡される。飲みさしだが嫌だとは思わなかった。ゆっくりゆっくり、一口ごとに頭がクリアになっていった。
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