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「……はい」  由紀は叱られる前の子供みたいに体を固くしている。 「私も猫は好きなのよ」 「え?」 「この家で飼おうかと思ってたくらい。逆に、班長って呼ばれるのはあまり好きじゃない。なにか違う風に呼んでくれないかな」  由紀はしばしきょとんとし、それからふっと表情を緩めた。 「じゃあ……真千子さん」 「はい」  真千子は迷いなく返事をする。 「今度、私の家に遊びにきてください。息子をお目にかけますから」 「ええ。ぜひ」
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