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「はい」  どん、と書類を積み重ね後ろについて歩く。臨時の面談だろうか。どうにも課員たちがこそこそ話しているのが気にさわる。化粧も服装も、もちろん仕事にだって隙はないはずだ。  打ち合わせ室に入り向かい合わせで座ると、課長は開口一番に言った。 「内示が出た、異動だよ。S県税事務所で滞納整理課の班長ポストということだ」 「……は?」  今世紀一番の間抜けな声を真千子は出した。
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