1 子供の死

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もちろん、そんなのはこっちから願い下げだが、不思議に孤独だの淋しいだのという感傷もなかった。 勉強の方は中の上。 人並みに大学には行ったものの、文科系だったこともあってロクに学校には行かなかったが、なんとか卒業した。 後に警察官になったが、ここでも真面目な奴と言われるだけで、友達らしきものも出来なかったし、仲良くしたくもなかったが、それで困らなかった。 現場は凄惨なものだった。 まだ年わもいかないガキが死んでいた。 親が留守にしている間にこうなったらしい。 まるで身体の中を食い荒された挙句、苦しみ抜いて死んだような顔をしている。 外傷が見当たらないところからすると、病死か事故死だろう。 鑑識が色々調べた後に、司法解剖すれば、すぐに答えは出るだろう。 泣き崩れた子供の両親は、大声を出して泣いていたが、無理もない、まだまだ可愛らしい顔をした幼な子だ。 これぐらいの頃が、子供も一番可愛い頃ではないか。 「病死かね」 とは上司の吉沢だ。 「そうかもしれませんね、事故的なものかもしれませんが」 「かなり苦しんだ形跡があるが、ひょっとすると毒性のものを口に含んだ可能性もあるね」 「その辺は解剖所見で明らかになるでしょうが、その線があるなら毒殺も考えられますね」 「え?こんな小さな子供をかね…?」 吉沢は驚いて目を丸くする。     
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