プレゼント

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けれど、一年が過ぎる前に、父の口からもう一年伸びる事が告げられた。 母は寂しそうだったが、仕事だからと渋々納得していた。 私は駄々をこねていたが、父は困った顔で私の大好きなケーキ片手にひたすら謝っていた。 その年も、父は休みの日は私達の為に家に帰って来てくれたが、仕事が忙しくその回数は前より減った。 しかし、誕生日とクリスマスには、必ずプレゼントを持って帰ってくれた。 そして、父の出張はまたも一年伸びた。 母はため息をつきながら、仕事だからと諦めていた。 父の仕事は忙しさを増したのか、毎日かかって来た電話も母へのメールも減っていった。 家に帰って来る頻度も、月一から数か月に一度になった。 それでも、特別な日だけはプレゼントを抱え帰って来た。 私は父が帰って来た事が嬉しい反面、また遠くへ行ってしまうと、いつも駄々をこねて父を困らせた。 寂しいのは、母も同じだったのだろう。 私が二階で寝ていると、一階から時々父と母が喧嘩をする声が聞こえていた。 それから、父は仕事でどうしても帰れないからと、プレゼントを送ってくるようになった。 会いたい。 と、私が電話をかけても、父は謝るばかりだった。 母は「お父さん、向こうで風邪をひいちゃったみたい」と誤魔化した。
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