第1章

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トランプは嫌いだ! その言葉の瞬間周りの生徒たちは静まり返った。 私立プレジデント高校1年の・おばま・の確信をつく発言であった。 その言葉には刺々しく棘(いばら)が如く周囲に刺さり、在るものはその言葉に歓喜し、在るものはその言葉に疑念を隠せずにいた。 周囲に静けさだけが残り香のように漂うと、その静寂を難なく壊しに掛かったのはこの男である。 「そんなこと言わないでちゃんとゲームしようよ!って、ひらりーが言ってた」 彼のなは(くりんとん)。 私立プレジデント高校1年2組の生徒会長補佐である。 彼の長所は流れに逆らわない事。 彼の彼女である(ひらりー)はプレジデント高校向かいにあるホワイトハウス高校の1年で、現在は其所の生徒会長である。 彼女の言葉は昔からくりんとんにとっては物事を決める際の指針となるものであった。 彼女の権力は絶対。 彼女には絶対服従の精神がくりんとんにはあったのだ。 「付き合いきれないな、下らない話するより、戦争しちゃう?」 そんな不謹慎きわまりない発言を漏らすのは(けねでぃ)プレジデント高校生徒会会計である。 彼の座右の銘は『撃たれる前に戦争』と言う攻撃的一面があった。 そんな彼の言動もかなり攻撃的で、会計でありながらその経費に文句を言えば教師であろうと彼によって消されること屡々。 多大な権力と武力を併せ持ち、持てない平気などないと言い張る程の兵力おも有する彼は周囲から恐怖の目で見られ、一部では何故奴が生徒会長をやらないのかと言う疑念の声さえあった。
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