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「恐れながら、一体どのような宣旨にございましょう」右大臣
「黙って聞くがよい」懐仁
「はい陛下…」右大臣
懐仁様は口を出してきた右大臣を黙らせるとすぐ様に宣旨を広げると、懐仁様はそれを読み上げたのです。
「本日、余はこの国の帝としての務めと責任を果たす為、藤原家の姫、定子を余の妻としまた新たな皇后としてこの宮廷に迎え入れる事とするーー」懐仁
大臣たちは懐仁様の読み上げた宣旨の内容に驚きを隠せませんでした。
そして当の道長は宣旨の内容に驚きと共に大きな喜びに胸を躍らせていたのでした。
藤原家から皇后が輩出すればその一族は最高の栄華と富を極める事ができる、そして一族の当主である道長は高い地位と名誉そして莫大な富が約束されるのです。
それは道長にとっての誉れであり長年の夢でもあったのでした。
そして懐仁様はそんな道長の表情を静かに手に力を込めながら見ていたのでした。
道長は懐仁様に礼の言葉を述べたのでした。
「誠に恐悦至極に存じますーー」道長
懐仁様は悔しさと苛立ちを胸の内に秘めながら道長の言葉を聞いていたのでした。
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