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そして右大臣は姿勢を正して言ったのでした。
「陛下、誠にありがたき幸せにございます!」右大臣
右大臣が伏してそう言うと、道長を含め他の大臣たちも懐仁様にそう言ったのでした。
それからしばらくしてその日の朝議会はそれでお開きとなったのでした。
朝議会を終えた大臣たちは皆こぞって道長に祝いの言葉を述べながら取り入ったのでした。
「誠におめでたいですな…左大臣殿」右大臣
「恐縮にございます右大臣殿」道長
他の大臣たちが行った後、道長は右大臣と共に歩いていたのです。
「これより先は、藤原氏の世がやって来るのですな…」右大臣
右大臣は遠くを見つめながら静かにそう呟くと道長はふっと軽く笑みを浮かべてから言ったのです。
「所詮、我が世とて天が定めたものに違いますまいーーなれど、その世が僅かでも長く続く事を願うばかりにございますよ」道長
「しかしー亡くなられたお父上もさぞや今の左大臣殿に驚いているであろう」右大臣
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