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佐倉宮様はお部屋に通されると懐仁様の前で早々と辞儀をすると、そのままそこに腰を下ろしたのでした。
「皇女…一体どうしたのだ」懐仁
懐仁様は自分の前に座った佐倉宮様にそう言うと、佐倉宮様は瞳に涙を湛えながら言ったのでした。
「お父様、誠に藤原の姫を皇后に迎えるのですか!」佐倉宮
「ああ、誠じゃ…故にこれからは実の母君の事を話してはならぬぞ良いな」懐仁
佐倉宮様は懐仁様の言葉に衝撃を受けたのでした。
それでも佐倉宮様は尚も懐仁様に食い下がったのでした。
「お父様!ー嘘だと仰ってください!」佐倉宮
「お父様は私と約束なさってくださいました…絶対にお母様を取り戻すと言ってくださいました…」佐倉宮
「なのに何故!…一体何故にございますか…お父様!、お父様どうか理由を教えてくださいませ!」佐倉宮
必死にそう訴える佐倉宮様のお顔には堪えきれなかった涙が流れていたのでした。
しかし懐仁様は心を鬼にしてそんな佐倉宮様に冷たく言い放ったのです。
「左様な事、誠になると信じておったのか」懐仁
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