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「道長殿…!」若草宮
「この想いが執着だろうと、欲だろうと関係ない…」道長
「ただ私は、貴女様を愛し手放すことなど出来ない…ただそれだけですーー」道長
皇女様はその道長の切ない声色と共に聞こえた言葉に酷く胸を締め付けられたのでした。
道長の想いが嘘偽りのないものだと知れば知るほど…そしてそれを皇女様に伝えている道長の姿を見るたびに皇女様は胸が痛んだのでした…
そして皇女様は涙を流したまま道長に言ったのでした。
「たとえ道長殿が左様に思っていても、道長殿がまだお気付きになっていないだけです…」若草宮
「皇女様…」道長
「たとえ道長殿が私を想っていても、道長殿は鷹司殿を手放せないのです」若草宮
そう言うと皇女様は道長の腕から逃れて少し距離を取って再び向き合うと道長は皇女様を見つめながら言ったのでした。
「何故なのです…何故斯様なことを仰るのです!」道長
「それは…わかるからです」若草宮
「えっ…」道長
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