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「そのお気持ちがわかるから…」若草宮
「皇女様」道長
「私もかつては道長殿を想っていました…それはあの方と許嫁として過ごしていた時からです」若草宮
「私はずっと道長殿を慕って折りました…その想いの大きさに胸が痛んだこともありました」若草宮
「ですが…その想いに蓋をしてあの方と夫婦として過ごすうちにあの方のお側にいることが当たり前になっていって…」若草宮
「そしていざ離れたら、あの方のお側にいられないことが辛くて、私にとってあの御方こそが誠に大切で愛おしい人だったのだと痛感しました…」若草宮
皇女様は涙を流しながら道長にそう言ったのでした。
そしてその言葉を聞いた道長の心は苦しいほどに痛く締め付けられたのでした。
そして皇女様は言葉を続けたのでした。
「それが夫婦の絆なのです…道長殿」若草宮
「皇女様…」道長
「一度その方と夫婦になれば、たとえ離れてしまってもその絆が消えることはないのです…」若草宮
皇女様は切ない微笑みを道長に向けながらそう言ったのです。
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