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道長には皇女様の言ったことが理解出来ませんでした。
「私には皇女様が何を仰っているのか分かりません…」道長
「道長殿…!」若草宮
「私は皇女様への想いに蓋をした事などありません!」道長
「鷹司殿と夫婦になった時もずっと私の心には貴女様がいた…」道長
「夫婦の絆?…そのようなもので消えてしまうほど私の想いは軽くありません!」道長
道長は泣きながら怒っているようにそう言ったのでした。
「道長殿…!」若草宮
「私はずっと、皇女様を得る為に権力を求めてきました…そうすればいつの日か貴女様と結ばれる日が来ると思っていたからです!」道長
皇女様は道長の言葉に驚きながらも切なく悲しい思いで胸が張り裂けそうでした。
皇女様自身もまた、一度は本心から道長を想いその事に胸を痛め涙を流したことがあるからこそ、嫌でも道長のその想いが分かるのでした。
かつてのその想いが皇女様の中でも本気だったからこそ、愛していたからこそ、自分といずれ同じようになると悟った皇女様は早く道長の心を楽にしてあげたかったのでした。
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