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屋敷の外で待っていた長官と共に懐仁様は宮殿への帰路を静かにゆっくりと歩いていたのでした。
そして不意に懐仁様が立ち止まると三歩後ろを歩いていた長官も立ち止まったのでした。
「陛下、如何なされましたか」長官
長官は懐仁様にそう尋ねると、懐仁様は少し間を置いてから話しだしたのです。
「長官ー余は明日の朝議会にて藤原氏の姫を皇后として迎え入れる宣旨を下す」懐仁
「陛下、誠にそれでよろしいのですか?」長官
長官は懐仁様の言葉に驚きを隠せませんでした。
「これは聡子が自ら余に願った事なのだぞ…是非もあるまい」懐仁
懐仁様は涙目になりながらそう言ったのでした。
そして長官は、懐仁様のその言葉と様子を見て、全てに納得したのでした。
懐仁様は今、この世で最も愛おしい女人の願いを叶える為に決断した事なのだとー長官は納得し懐仁様の言葉に従ったのでした。
そして長官は、懐仁様を見つめながら静かに口を開いたのです。
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