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第24章 夫婦の絆
新たな皇后様が誕生してから三月ほど経った頃のことーーー
皇女様は道長の別邸の屋敷で相変わらずの日々を送っていたのでした。
「…もうここに来て、随分経ったのだな…」若草宮
ふと皇女様は横に控えている女官にそう言ったのでした。
するとその女官は静かに頷きながら言ったのでした。
「はい、今はもう初夏を迎える頃にございますから」女官
「そうか、あの方と別れた折はまだ雪が降っていたはずだが…月日とは誠に早いものだ」若草宮
皇女様が切なげにそう言うと、女官は突然少し不服そうに言ったのでした。
「それにしても藤原様は一体何をされて居られるのでしょうか」女官
「えっ…」若草宮
皇女様は女官の突然の言葉の意味を考えていると女官は言葉を続けました。
「藤原様の真の目的は若草宮様と夫婦になられる事にございましょう、その為に若草宮様を皇太子妃の座から降ろし斯様な屋敷に閉じ込めているのでございましょう!」女官
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