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第26章 一帝二后
そう言った道長はそっと手に届けられたばかりのわら人形を持ったのです。
そしてその頃、別邸にいる皇女様は女官からの報告をじっと待っていました。
「若草宮様!」女官
女官はそう言いながら慌てた様子で部屋の襖を開けて入ってきたのでした。
「一体何事なのだ」若草宮
皇女様は女官の様子に驚きながらもそう言うと、女官は皇女様の前に座ったのでした。
「若草宮様、何かとても大変な事が起こるやも知れません!」女官
「どうゆうことなのだ…何かわかった事があるのか?」若草宮
「実は今日…宮殿にいる女官に手紙を届けに出た帰りに道長様の屋敷に怪しい箱を持った者が入って行くのを見たのです」女官
「怪しい箱…?」若草宮
意味がよくわからずにいた皇女様に女官は隠し持ってきていたある物を戸惑いながらも皇女様の前に差し出したのです。
「これは何なのだ…」若草宮
「怪しい箱を持った者が落として行ったものです」女官
「実はそれは呪詛に使われる札にございます」女官
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