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「何の騒ぎ?」 「あ、店長。阿鼻叫喚という感じですね」 「のんきなこと言ってないで、ちょっと見てきなさい」 「見てきました」 「どうだった」 「静かになってます」 「それはわかってる。で、どうなった」 「それがですね。ドレッシングです」 「ドレッシング? なんだ、それは」 「水と油を混ぜて、また分離したような状態で」 「ますますわからん」 「ブサイク男と美女の組み合わせと、ブサイク女とイケメンの組み合わせを混ぜて振ったら、美男美女とブサイクときれいにわかれたという状態です」 「ふーん?」 「あ、出てきました。あ、ありがとうございます。またいらっしゃいませ。はい、お勘定はお済みでございますね。ありがとうございます。ありがとうございます、と。…ほら、綺麗な同士ばかりでしょ、くっついてるのは。イケメンは美人と、可愛い子は可愛い同士でくっついて出て行った。よくできてます」 「そうねえ。あれ、これで全部?」 「いえ、まだまだ残ってるはずです。半分くらいしか出て行ってないのでは。ちょっと見てき…あらま」 「どうした」 「またドレッシングです。男と女で、きれいに二つに分かれてる」 【了】
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