6人が本棚に入れています
本棚に追加
(さん)
「それじゃ行ってくるね」
「うん。ゆっくりしてきたらいいよ。」
夫の耳に挫折までのカウントダウンはまだ届いていない。
(に)
「オムツはテレビボード、ご飯は冷蔵庫。泣き止まないようならお気に入りのおもちゃが…」
「大丈夫(笑)早く行かないと遅刻するよ」
(いち)
「行ってきます!」
(ぜろ!!)
ドアが閉まる直前の泣き声は聞こえない振りして駅へと向かう。
風の音も街の喧騒も車のエンジンさえも全てが自分を祝福するファンファーレに聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!