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「なぁ。お前は冒険者のルールを覚えてるか?」
「あ?ルール?あぁ~あのクソくだらねえお約束事か。一つ『無駄な殺生をしない』二つ『盗みをしない』三つ『裏切り行為をしない』だっけか?それがどうしたよ?」
「いやな。お前、もしかしてそのルール全部破ってる?」
「当たり前だろ?殺さない、盗みをしない、裏切らない。そんなのいちいち守ってたら、最強にはなれねぇしよ」
「そうか」
確かに、ルールを破る奴は珍しくはない。人間は縛られる事に息苦しさを感じる生き物だ。
時には自由を求めて、時には本能に負けて。だがそれでも、人間を外れる行為をするのは許されない。
「なぁ……なんで俺が、昨日わざわざお前に会いに来たか分かるか?」
「あ?なんだそれ?そんなのお前の最弱パーティーを潰す計画をたてる為だろ?違うのか?」
「そうだな。それは一つ目の理由だ」
「じゃあまだ何かあるってのか?」
「あぁそれはなーー『お前に、罰を与える為だ』」
その瞬間だった。
俺の目の前で、握手を求めてきた男の腕が綺麗に真っ二つに切り落とされ。宙を舞った。
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