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「……え?」
男のモノだった腕が、地面にゴトリと落ちたと同時に。赤い血しぶきが一気に噴き出す。
何が起きたのか分からない。そんなアホ面が自分の返り血で染まっていた。
「ァアァアア!!!!!」
ようやく痛みを感じたのか。既に無くなった腕を抑えながら、男はその場で苦痛の叫びをあげて倒れ込む。
先ほど「最強を目指そうぜ」と言っていた奴が、腕を一本切られた程度でこのざまだ。
「ホント、片腹痛い」
「て、めぇ……なに、しや、がった」
「あ?それは俺じゃないぞ?後ろを見て見ろよ」
「っーー!?な、なんで!?」
男の背後では、先ほど殺されたはずの俺のパーティーメンバーが他の連中を片付けている最中だ。
「ぎゃぁあ!!」
「ガハッ!!」
「た、たすけっーーゴベッ」
逃げ惑う男達の心臓を一撃で射抜くネイル。
その放たれる矢の威力は、来栖の魔法でさらに威力を増し。射抜かれた男達の心臓は確実に潰されていた。
まさに一撃必殺。
「ふふっ。アタシに心を射抜かれた感触はどうかしら?」
恐怖しか感じねぇよ。
「この、クソオカマやろっーーアアァア!!!」
「おじさんは、僕の相手をしてよ」
ネイルの背後から襲い掛かろうとしていた男を魔法で縛り付けた来栖は、唾液で濡れた口をぺろりと舐めとると、呪文を唱える。
「肉まんにな~れ!」
すると。縛り付けられて男が一瞬で、ほかほかの真っ白な肉まんに変わってしまった。
来栖はその肉まんを手に取ると、なんの躊躇もなく口に運び。大きく齧りついた。
一見ただ肉まんを食べているだけの可愛い少年のはずなのに。一部始終を見ていた男達は、あまりの恐怖と衝撃に絶句していた。
しかし。
あの程度で怯えていては、残り二人の相手も到底できないだろう。
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