二章 最強パーティーからの制裁

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「こわい、こわい、こわい……いやだ。私を見ないでください」 男達に囲まれて、ビクビクと怯えている冬野。 そんな幼気な少女の姿に、先ほどまで警戒を高めていた男達は安堵の息を漏らして。頬を緩めた。 「オイオイなんだ?この女だけは弱そうだぞ」 「お前等!まずこの女から仕留めるぞ!」 「ついでに遊んでやろうぜぇ~。いい女だしよぉ~」 冬野に近づく男達。 しかし、その少女の肩を掴んだ途端ーー。 男の身体が、まるでペラペラな紙のように宙へ吹き飛ばされ。そしてはるか上空から投げ落とされたかのように、身体を思いっきり地面へ叩きつけられてしまった。 目をやるのも痛々しいくらいの損傷。 それを目の前で突きつけられた他の男達は、腰が抜けてその場でへたり込んだまま動かない。 ただ立っているのは、幼気な少女のみ。さっきとは立場がまるで逆だ。 「い、一体……なにが……」 「まさか……今のは、魔法……なのか?だ、だが。詠唱を唱えてないはず!なのに何故!?」 冬野が一歩前に出る。 「私、人前で話すの苦手なんです……。だから詠唱なんて唱えなくても魔法が使えるようにしました。今では下級魔法から、上級魔法まで全て使えるんです」 「そ、んな……馬鹿な話が」 「あの、私。凄く人見知りなんです……なので……消えてください」 なんとも一方的な理由で、男達はありとあらゆる魔法によってその命を消されていく。 炎で焼かれ、押しつぶされ、氷漬けにされ。 きっと冬野に使えない魔法は、もう存在しない。 「はぁ~……怖かったです……」 一番怖いのはお前だ。 「こっちも終わったぜ!五十嵐!」 いや、もっと怖いのがいた。 「お前、それで俺に抱きついてでもしてみろ?殴るぞ」 「え?俺、汚いか?」 汚いも何も、アルストリアの全身は血まみれだ。 しかも自分のじゃない。全部返り血。 それなのにコイツは、その血を拭おうともせず。いつものキラキラした笑顔で俺の元へ来るのだ。 これはもう、異常としか言いようがない。
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