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立ちはだかる性別の壁。
俺は悔しくて悔しくて、机の下で己の太ももにボールペンをぶっ刺してしまう。そうでもしないと込み上げてくる感情が抑えきれない。
おかげで本来は赤青黒の三色セットだったボールペンが、気づいたら全色赤になっちまった。
「──ってそんなワケあるか! 誰だ! こんな地味なイタズラ仕込んだ野郎は」
「オレじゃねぇよ」
「おれも違う」
「お前の仕業じゃねぇの?」
「ちげぇし」
俺の席の前後左右のやつらが一斉にこちらを見てニヤニヤ笑い出す。犯人が誰なのか分かっている上で、面白がっている顔だ。
だとすると、俺も目星がついた。
今日という今日は直接言ってやらねばなるまい。
そう決断し、さっそうと席を立つ。
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