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俺たち2人は高等部エリアの校舎に向かって歩いている。
「ラルフもSクラスなら楽しかったのになぁ~」
「馬鹿言え、お前らみたいに上級魔法を初級魔法みたいに使える奴じゃなきゃ無理だろ…どうしてもってんならお前がAクラスに来いよ、いつでも歓迎するぞ」
全く…エクトはいつも無茶を言ってくる。
「いやいや、Aクラスに行くのは勘弁かな…出来ればそうしたいけど色々面倒だし」
まぁコイツんちは最上級貴族だからな…体裁とかもあるんだろ。
「なら諦めろ」
超いい笑顔で言ってやった。
「ラルフならなれると思うんだけどなぁ~…」
正直な事を言うとSクラスに行く事自体は多分余裕で出来る…勉強面は全く問題は無いし、戦闘面でもまぁ何とかなる。
問題はSクラスの特待生になれるかどうかだ。
Sクラスの特待生は仲のいい奴ばかりだが、コイツらが恐ろしく優秀な奴らばかり。
1人目はエクト、言わずとも分かると思うがまず越えられない。
2人目はサリス、"サリス・ルルエラ"、最上級貴族ルルエラ家の1人娘、気が強く誰にでも食ってかかる少女である。
多分俺らの学年で一番魔法戦を得意とする奴だ。
見た目は赤い髪の毛をポニーテールにしていて瞳も、綺麗な紅色の目、黙って居ればかなり可愛い…が、いかんせん性格が凄い。
3人目はテリア、"テリア・ラトゥール''、こちらも最上級貴族ラトゥール家長女、サリスとは真逆で聖母の様な優しさをもつ少女である。
見た目は金色の長いストレートヘアーに、瞳はエメラルドグリーンの様な目、神聖さを纏っている気さえする。
実力は申し分なく頭は良いし魔力量も多分俺の10倍じゃ効かないだろう。
結論から言って…俺がSクラスの特待生になるのはまず不可能だ。
「あ、もしお金の面とかで渋ってるんなら何とかするよ?父さんもラルフの事凄く気に入ってるから二つ返事でオッケー貰えると思うし!」
…え、マジで!?
いやオルガさんならあり得る…けど。
「いや、遠慮しとくよ…別に今の環境に不便はしてねーし」
そこまでして貰うのは流石に気がひけるしな。
「…そっか、残念」
少し寂しそうにするエクト、割とマジな話だったようだ。
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