平和でなにより

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ちゅんちゅん 窓から朝日が差し込み、小鳥達が自由気ままに飛んでいる。 「ん~…」 その日差しを受けて眩しそうに寝返りを打つ少年、彼がこの物語の主人公"ラルフ・ローナス"だ。 二階建ての家の一般的な平民家庭のローナス家。 トントン ラルフの部屋のドアが叩かれる。 「おにーちゃーん!朝だよ~」 そうドア越しに話すのはラルフの実の妹"セナ・ローナス"である。 「………」 ガチャ 「もう!起きてったらー!学校遅刻しちゃうよ~」 年齢は15歳 クリクリとした瞳に茶色っ気のサラサラとした髪、学園指定の黒と赤のチェックのスカートとYシャツとリボンの制服を着こなす少女。 10人見れば10人が可愛いと称す彼女は学園でもトップの成績と実力の持ち主だ。 「お~き~て~!」 ゆさゆさと一生懸命ラルフを揺らす。 「んあー…?」 ゆっくり目を開けて 「ん~」 また寝返りを打つ…朝は苦手なようだ。 因みに時刻は8時、学園の時間が8時半からでラルフの家から学園馬車で20分程。 このままでは遅刻は免れない…。 「いい加減起きろーー!」 ぴょんっと飛び跳ねラルフのベッドに肘からダイブ。 「グェッ!」 セナのエルボードロップを受け止めたラルフはカエルようなうめき声を上げて飛び起きる。 「いてて…えっなに!?奇襲!?敵襲!?」 覚醒した目をガン開きにしてあたりをキョロキョロ見渡すが誰もいない。 腹に重みを感じて下を見る。 茶色のサラサラとしたストレートヘアーが目に入って状況を理解する。 「セナか…もう少し優しく起こしてくれ…」 はぁー、と溜め息混じりに妹に言う。 「何回起こしても起きないお兄ちゃんが悪いッ!今何時だと思ってんの!!」 ビシッと指をラルフのベッドにある時計を指差す。 「ん?何時ってそりゃ~…」 指差す方向にゆっくりと首を回し時計確認する。 ……………。 少しの静寂の間。 時計の針は8時5分の針を示す。 「…!!!遅刻じゃねーかッ!!!」 ガバッと勢い良く飛び降りたが未だに腹の上に乗っていたセナを完全に忘れていたラルフは体制を崩して倒れる。 「のわッ!?」 「キャッ!?」 ガシャッドン 「いってて…わ、悪いセナ。だいじょう…ぶ…か?……ん??」 「おおおお兄ちゃん!?」
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