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ジョージの不在がすべての始まりだったのかもしれない。秋が深まっていくとともに、事態は急展開を始めた。
新たな戦闘訓練が予定されていた翌週、訓練生は全員地下の作戦指揮所に集められた。大深度地下を掘り抜いてつくられた進駐軍の不二指揮所は、核攻撃の直撃に耐え、戦争遂行を継続することが可能な大施設だった。
スタジアムほどの広大な空間には、3Dのホログラム投射機が12台設置され、世界中の戦場をいながらにして指揮可能である。数百人の指揮官が一年以上に渡って活動可能な水と空気のリサイクル施設まである。天井までは数十メートルの高さがあり、内部はドーム球場のようだ。
「おい、こいつはどうなってんだ?」
クニがタツオの肩をつついていった。
そこに集まっていたのは、訓練生と作戦部だけではなかった。一段高くなっている閲覧席には金モールと勲章で、軍服をにぎにぎしく飾り立てた老人たちが顔をそろえていた。すべて将官ばかりだ。進駐軍の主だった大将や元帥までいる。多くが歴史上の伝説的な軍人である。
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