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タツオの頭のなかも真っ白になっていた。空母が7隻! 500機近い戦闘機ということになる。大国ひとつのほぼ全戦力だった。これだけの大部隊がすでに集結しているのだ。
ということは……。
「以前より作戦部による推定では、本土上陸決戦は来春としていたが、この状況ではいささかの猶予もなくなってきた。敵は決戦兵器『須佐乃男』を恐れ、上陸作戦決行日を早めてきた可能性がある」
耳が痛くなるほどの沈黙が指揮所を満たした。3Dホログラフの立体映像では、無数の舟艇が細胞のように泉州湾でうごめいていた。空母の飛行甲板からは離着陸訓練をする戦闘機の姿も見える。
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