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100万人を超える大部隊では糧食だけでもたいへんなことになるだろう。あの地にのんびりと半年も留まるはずがない。タツオはその場にいる誰もと同じ恐怖に打たれていた。日乃元へも3日ほどの旅程である。逆島少佐がいう。
「新たな決戦予定時期は、秋の終わり10月から11月にかけてと考えられる」
喉(のど)が渇いているのか、粘りつくようにしゃがれた声だった。「須佐乃男」搭乗と本土防衛戦まで、あとひと月ほどしかないのか。タツオの全身に鳥肌が立った。決戦に敗れれば、自分は死ぬだろう。もし決戦に勝っても、一日で数十歳の爆発的な肉体的な加齢を引き起こす。青春をたったの半日で失うのだ。自分は「須佐乃男」をおりたとき、肉体的に初老を迎えている可能性が高い。
「タイムリミットが迫っている。明日からは『須佐乃男』シミュレータによる実戦訓練を開始する。日乃元の存続は、来たる本土決戦にかかっている。日乃元魂の力を連合軍に見せつけ、敵兵力を撃滅せよ。これより毎日が実戦と心得、各自刻苦奮闘せよ。今後のスケジュールについて、詳しくは午後の座学で説明する」
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