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「はあ? まさか明日大学に行くつもりか? 休めよ。もちろんバイトも」 「む、無理です。大学はまだしもバイトは今日だって無理にシフト変えてもらったクチなんで…」 「休め。君な、今日、さっき、ぶっ倒れて病院行きだったんだろ。医者も一日入院してもいいと言うからには、病人に変わりないだろうが」 「生活かかってるんです」 「死んだらその生活は終わる」 「……」  そうですね。とは返せなかった。  なんというか、八奈見が言うと妙にリアリティがあったからだ。職業柄人より多く死を知っているだろうこの男だからこそ。 「とにかく寝ろ。明日のことは明日考えろ」  強引に背面に倒されたので、そのまま素直に布団を口元まで被った。 「はい」 「俺は隣の部屋にいる。何かあれば呼べ」  この広い部屋だけでワンルームとして完結しているのかと思いきや、まだ隣に部屋があるのか。別の事実に驚きながらもうなずくと、納得してくれたのか息をついた。 「明日は仕事で早いから起きた時には俺はいないと思うが、オートロックだからそのまま気にせず帰れ」  一方的に淡々と告げると、八奈見はそのまま部屋を去ってしまった。 「……」
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