0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
サンタさんがいるかどうかなんて僕は、どっちでも良い。
ただ、目が覚めて、寝る前には無かった綺麗なラッピングをされたプレゼントが枕元に置いてある。というのは、誰が置いたか関係なく、すごくすごく嬉しい。
普段は、布団の魔力に勝てない。
目が覚めてもすぐに、夢の世界へ引きずり込まれる。
でも、クリスマスのプレゼントが置いてあるだけで、目がカッと開いて意識が冴え渡る。
布団は、僕のライフポイントをあっという間に0にするラスボス。
それに対抗できるレアアイテムが、まさに、クリスマスプレゼントだ。
それくらいクリスマスプレゼントは、特別で嬉しい物なんだ。
少なくとも僕にとっては。
それでも、この気持ちが分からないという子供はいないと思う。
現におねーちゃんに、ラスボスの例えを話すと
「分かる分かる! 聡アンタってば天才ね!」
と両手を叩いて笑っていた。
だけど、この喜びを体験したことが無いという人がいた。
世界には、貧しい暮らしをしている人達がいるから、プレゼントを貰ったことが無い人達がいることくらい、僕にだって分かる。
でもそれは、なんとなく僕達からは遠い国の人の話なような気がしていた。
あの話を聞くまでは……。
最初のコメントを投稿しよう!