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夜ご飯を食べている時、お母さんが聞いてきた。
「もうすぐクリスマスね。サンタさんにお願いするプレゼントは、何にするの?」
僕は、新しいゲームソフトを答えた。おねーちゃんは、新しいお洋服をお願いしていた。
「サンタさんにお願いするものは、ちゃんとお手紙に書いて枕元に置いてね。じゃないとサンタさん、袋から何を出したらいいのか分からないから」
お母さんは、笑顔で去年と同じようなことを言っている。
おねーちゃんは、口を尖らせる。
「お母さんとお父さんがサンタさんなのに!」
とめんどくさそうにしてた。
僕は、手紙を書かないというだけで、プレゼントが貰えなくなるのは寂しいから、黙ってお母さんの言葉に頷いた。
お父さんは、おねーちゃんに去年と同じことを言って、説得していた。
話が終わるとおねーちゃんは、お母さんとお父さんに聞いた。
「お母さんとお父さんは、サンタさんに何をお願いしてたの?」
「お父さんが子供の頃は、サンタさんが居なかったな」
「お母さんの時も居なかったわね」
「「えっ!」」
思わず、おねーちゃんと声が揃う。
それくらい驚いた。
この時、初めてあの喜びを知らない人がいることを僕は知った。
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