初めてのプレゼント~僕らがおとなになった朝~

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そこから、おねーちゃんと二人で作戦を練った。 お母さんとお父さんにあの喜びを味わって貰うために。 もちろん二人には内緒だ。 僕とおねーちゃんは考えた。 すごくすごく考えた。 まずは、なんとかお母さんとお父さんの欲しい物を調査した。 お母さんは簡単だった。 テレビのCMでやっている口紅を見て、これ欲しいって小さい声で言ってたから。 お父さんの欲しい物は、どうしても分かんなかったから、直接聞いた。 「お父さんは、サンタさんに貰うなら何が良い?」 「ビール。いや、ワインもありだな。逆に焼酎も捨てがたい」 なんの参考にもならなかった。 仕方がないから、お母さんがお父さんの誕生日のプレゼントに、ネクタイをあげていたから、僕達もネクタイにすることにした。 それから、僕達は、子供部屋にある折り畳み式の小さい机の上に、貯金箱をひっくり返した。 二人で小銭を数える。 おねーちゃんの分と僕の分、二人合わせて2358円だった。 デパートには電車で行く。 おねーちゃんが言うには、片道二人で240円。 当然、このお金もここからださなければならない。 おねーちゃんに「…足りるよね?」と確認してみた。 僕には、すごく高い金額に見えたけど、大人から見たらどうなのか分からなかった。 もちろん、おねーちゃんだって大人じゃないけど、今、頼れるのは僕より二つ上のおねーちゃんしかいない。
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