0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
そこから、おねーちゃんと二人で作戦を練った。
お母さんとお父さんにあの喜びを味わって貰うために。
もちろん二人には内緒だ。
僕とおねーちゃんは考えた。
すごくすごく考えた。
まずは、なんとかお母さんとお父さんの欲しい物を調査した。
お母さんは簡単だった。
テレビのCMでやっている口紅を見て、これ欲しいって小さい声で言ってたから。
お父さんの欲しい物は、どうしても分かんなかったから、直接聞いた。
「お父さんは、サンタさんに貰うなら何が良い?」
「ビール。いや、ワインもありだな。逆に焼酎も捨てがたい」
なんの参考にもならなかった。
仕方がないから、お母さんがお父さんの誕生日のプレゼントに、ネクタイをあげていたから、僕達もネクタイにすることにした。
それから、僕達は、子供部屋にある折り畳み式の小さい机の上に、貯金箱をひっくり返した。
二人で小銭を数える。
おねーちゃんの分と僕の分、二人合わせて2358円だった。
デパートには電車で行く。
おねーちゃんが言うには、片道二人で240円。
当然、このお金もここからださなければならない。
おねーちゃんに「…足りるよね?」と確認してみた。
僕には、すごく高い金額に見えたけど、大人から見たらどうなのか分からなかった。
もちろん、おねーちゃんだって大人じゃないけど、今、頼れるのは僕より二つ上のおねーちゃんしかいない。
最初のコメントを投稿しよう!