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今日のモンスターの素材はこの辺では価値が高いものだったようで、毎日豪遊できる程では無いけれど、今日、大食い男子が満腹になるくらい食べても支払いに困らない程の収入にはなった。
トントン、とその予算が追加されたお財布を軽く指で突付きながら言えば、「なるほど!」とジャンが何かに納得したような表情を浮かべて何度も頷いている。
「そうか、アレが大金ってやつか!」
「…………は?」
「あ、ハルトが喋った!」
「…………ジャン、今なんて言ったのかしら?」
「ん?だから、アレが大金ってやつか!オレには良く分からなかったからな!何だ二人とも。オレの言葉聞こえなかったのか!もう眠たいのか?」
ガブッ、と次の肉に齧りつきながら言うジャンの言葉に、私とハルトの動きが止まる。
「ハルト、何だか嫌な予感がする」
コソ、と隣の席のハルトに耳打ちをすれば、「ああ」とハルトも苦い顔をしながら頷いている。
「…………おい、ジャン、お前、出身は?まさか貴族とかか?」
訝しげな表情をしながら話しかけたハルトを見て、ジャンは「んん?」と首を傾げながら咀嚼を続けている。
「いや?オレは農家出身だぞ!小麦が有名な地区だ!」
えっへん、と大きく胸を張りながら言ったジャンの言葉に、ハルトはふぅんと興味無さそうな言葉を返す。
「じゃぁ、ジャン、もう1つ質問」
「お、何だ?フィン」
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