始まりの日

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始まりの日

   高校の卒業式が終わって、大学入学を間近に控えた18歳の春。  新しい生活がスタートした日のことは、今でも鮮明に覚えている。    その日早朝に目が覚めた私はすぐに起き上がって布団をたたみ、仏壇の前に正座して、りんを鳴らした。 「おじいちゃん、おはよう。今日からお世話になります」  額縁におさまるおじいちゃんは、穏やかにほほ笑んでいた。
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