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「仲介している以上、ヤクザさんたちはその誰かさんと繋がりがあるはずじゃないですか。そこからちょちょいと」
「また金か」
「いいえ。あの人たちはお金稼ぎのプロですからね。お金で交渉しようとすると長引くので却下です」
「じゃあどうやったんだ」
ホタルはにへらとだらしなく笑うと、自分の胸や下腹部を指でなぞり、甘い声で言う。
「女にはいろいろと口を割らせる術があるんですよ」
舌で自分の指先を軽くなめながらホタルは言った。
「私、そこそこルックスもいいですし、アッチの方はインテリジェンスなので」
モグラは呆れたように首を振り、シンクに置いた皿を洗い始めた。
「信じてないんですか? あ、じゃあ試しましょうか、今から」
「いらん」
「本当ですかぁ?」
「早く先を言え」
「はいはい。腕はいいけど頭は固いですよねモグラさん」
ホタルはレジュメに目を落とし、情報を説明した。
ドラッグをばらまいているのは、佐久間隼人。実業家だった父から会社を継いだ御曹司らしく、経営は部下に任せ自分は遊びほうけているという典型的なタイプだと言う。大規模なパーティーをしょっちゅう開催し、そこでドラッグを使い「ナニ」をすることにはまっているらしい。
「くだらない」
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