サンタのおっさん

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栞は今年17歳の高校2年生だ。 部活はラクロスをやっていて、今年の夏に遂にレギュラーの座を掴んだ。 部活仲間を始め、クラスにも友達が少なからずいる。 こんな日は、誰かと話していたいとも思った。 だが、去年までの栞がそうだったように、クリスマスにはそれぞれの団欒があるはず。 それを思うと誰かに連絡する気にはなれなかった。 もういっその事寝てしまおう。 そうだ。こんな日は寝てしまうのが一番だ。 栞は寝支度をしてベッドに潜りこんだ。 このまま目が覚めなければいいのに。 そんなことを時々思う。 そうすれば、痛くも苦しくもないままで、私の世界を閉じてしまうことができる。 私が選んだ訳じゃないから、私は何も悪くないし、誰からも責められないどころか、憐れんでさえもらえるだろう。 きっと、眠れる森の美女みたいな美談になって終わるに違いない。 そうなってしまえばどんなに楽だろう。 私の失敗も、無かったことにしてもらえるんじゃないだろうか。 栞は頭が一杯で眠るどころじゃなかった。 だが、栞は必死で眠ったフリをする。 そうでもしないと、この夜をやり過ごすことができないからだ。
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