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電気を消して、ベッドに潜り込んでから、もう何時間経ったのだろう。
1時間?
2時間?
それともたったの30分?
栞が必死で睡魔に負けようと格闘していると
――ゴトッ
廊下の方から何か物音がした。
なんだ?
母親が帰ってきた?
いや。
それならドアを開ける音や階段を上がる音が聞こえても良いはずだ。
もちろん、動物を飼っている訳でもない。
集中して聞き耳を立てると、廊下の軋みや布ずれの音がする。
慎重に、物音を立てないように動こうとしているのが分かる。
(……泥棒だ!)
栞は恐怖で硬直した。
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