エリとマリ親子

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エリとマリ親子

マリ親子は、入学式に望みます。テツは、新一年生として他の児童と共に入場します。マリとトモは、父兄席からその式典を見守ります。式が滞りなく終わると、テツたちは教室へ入ります。父兄は、別の教室で説明会に参加します。それが終わると、父兄たちは我が子がいる教室の後ろの空間でホームルームを観覧します。中には、ビデオカメラを構えて一部始終を撮影する親御さんもいます。ただ眺めてる者も、自らカメラマンを引き受ける者も、主役は我が子です。担任の先生が、ホームルームを終える合図をすると児童たちは挨拶して、それぞれの親御さんと一緒に帰宅します。テツも母と妹と一緒に帰宅しました。その晩は、簡単なパーティーを開きました。鳥の唐揚げにレモン汁を添えたものとコールスロー、ジュース、ケーキをテーブルの上に並べて、それらを主に子供たちが食べました。子供たちが寝た後、夫婦は晩酌してその日を終えました。 次の日からテツはランドセルを背負って、集団登校の列に並んで小学校へ通います。残されたマリとトモは家事の合間に親子の時間を過ごします。専業主婦となったマリは、モンスターペアレントの代わりに発生するママ友との摩擦をエリの透視力で切り抜けます。呼び名が違うだけで、根本的には不満の捌け口を探してる主婦との関係はそのままです。 エリは、自分が30歳になるのをひしひしと感じています。世間的には、男が寄って来なくなる歳です。いつのまにか、浮いた噂の対象すらされなくなりました。中には、聞こえよがしに「オバさん」と吐き捨てる者までいます。それも、例の透視力で下劣な心を見抜いてるからそういう類のセリフを右から左に流します。「50過ぎが何を言ってるか? 孫がいるのに頭の中だけで春めくな!」と鼻で笑います。 教室でも、BBAの陰口が例の透視力で聞こえてきます。「子どもたちに言われる歳になったか?」と苦笑いしながらも、教壇に立ち、深夜まで続く雑用同然の仕事をする日が続きます。「女を捨てた生活は一生続くのかな?」と思いながらも、ファミレスで夜食を食べて、暗い家に帰ると明日の準備をしてから床に入りました。 正反対な生活をするマリとエリは、女の柵の中でそれぞれの課題を解決することに時間と知恵を使うのでした。
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