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あなたのすべてを手に入れて
早くも半年が過ぎた
今日はあなたの誕生日
「ねぇ、今日はあなたの誕生日、なにか欲しいものはある?」
ありふれた恋人同士の会話
半年前のあの時と変わらぬ会話
「なにか…くれるの?」
「なにか欲しいの?」
あなたは私の両手を掴んでこう言った
「自由が欲しい、君から解放されたい」
「そんなこと?いいわ、すぐにあげる」
私はあなたを抱きしめた
忘れないように、しっかりと…
「うぐっ……」
床にぽたぽたと赤い液体が落ちる
「あなたは自由よ。これで私から解放されたの、永遠にね。最高のプレゼントでしょう?」
私はあなたから離れて、笑顔を浮かべる
「さて、と。次はどんな人が私にプレゼントをくれるのかしら」
フフ
楽しみね
部屋のドアの閉まる音だけが響いた…
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