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次の朝、薫が身支度をしていると、絵莉子が寝ているベッドから呻き声が聞こえてきた。薫は反射的にそちらを見る。絵莉子はベッドの上で体を起こしていたものの、目は普段の半分も開いていなかった。 「おはよう」 薫が声をかけても、絵莉子の反応は鈍い。 「…私、いつの間に寝てたの?」 「うん、覚えてないの?」 「記憶がない…頭が痛ぁい…」 絵莉子は再び布団に潜り込もうとする。 「今日は授業じゃなかったの?」 「行きたくなぁい」 「はいはい。早く布団から出る」 薫が布団を引き剥がすと、絵莉子はまた呻き声をあげた。 「ひどぉい、もっと優しくしてよ」 「昨日十分優しくしたよ」 そう言いながらも、二日酔いで起き上がれない絵莉子を見ると、さすがに可哀想に思えてくる。薫はそっと布団を掛け直した。 「じゃあ、私は先に行くけど…お大事にね」 薫が部屋を出ようとすると、絵莉子が「授業行きたくない、薫ちゃんも一緒に休もうよ」と声を掛けてくる。曖昧に返事をしながら、薫は部屋を後にした。
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