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雪乃は、薫の反応を気にも留めずに続ける。
「エリから薫チャンの話しはよく聞いてたんだよ~、ルームメイトの薫チャンは優しくて親切で、いつも助けてもらってるって」
薫は返答に困った。唐突に褒められると、どう反応するのが正解なのか分からない。
ちょうどそのタイミングで教授が講義室に入ってきた。雪乃が話すのをやめ、慌ててノートを出す。
講義が始まったが、薫は集中することができなかった。
(絵莉子ちゃんは、私のことをそんな風に言ってたんだ)
頬が緩みかけたが、思わず奥歯を噛み締めた。
(嬉しいけれど、気を良くしてしまっているけれど……そういえば昨日は、この子にも絵莉子ちゃんにも良い態度をとっていなかった)
薫は小さくため息をついた。
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