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今日はおひさまがポッカポカ。
「うっひゃー、最高のお昼寝日和だぁ」
きらきらと木洩れ日の光る森の中、オイラはお気に入りのハンモックに飛び込んだ。
仰向けにごろり。
うつらうつらと夢の入り口に立とうとした、その時だった。
「おおーい! しょーおちゃあーん、たいへんだあ!」
突然聞こえたその声に、オイラは渋々と頭を起こした。
弟のマッキーがハアハアと息を切らしながらこちらへ駆けて来る。
「大変ってなに? せっかくいい気分で寝ようとしてたのにぃ」
「とにかく大変なんだよ! 西の……西のヒマワリが……!」
『ヒマワリ』と聞いて、さすがのオイラも身を乗り出した。
「何だって? 西のヒマワリがどうしたって?」
「ヒマワリの頭だけが全部刈り取られてた! ごっそり盗まれちゃったんだよ!」
あまりの出来事に、オイラは思わずハンモックから転がり落ちてしまった。
「な、何だってーーっ!?」
それは、この小さな村で起こった、初めての事件の始まりだった。
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