最弱で最強で最高!

2/12
前へ
/12ページ
次へ
 ***  今日はおひさまがポッカポカ。 「うっひゃー、最高のお昼寝日和だぁ」  きらきらと木洩れ日の光る森の中、オイラはお気に入りのハンモックに飛び込んだ。  仰向けにごろり。  うつらうつらと夢の入り口に立とうとした、その時だった。 「おおーい! しょーおちゃあーん、たいへんだあ!」  突然聞こえたその声に、オイラは渋々と頭を起こした。  弟のマッキーがハアハアと息を切らしながらこちらへ駆けて来る。 「大変ってなに? せっかくいい気分で寝ようとしてたのにぃ」 「とにかく大変なんだよ! 西の……西のヒマワリが……!」 『ヒマワリ』と聞いて、さすがのオイラも身を乗り出した。 「何だって? 西のヒマワリがどうしたって?」 「ヒマワリの頭だけが全部刈り取られてた! ごっそり盗まれちゃったんだよ!」  あまりの出来事に、オイラは思わずハンモックから転がり落ちてしまった。 「な、何だってーーっ!?」  それは、この小さな村で起こった、初めての事件の始まりだった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加