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その日、村では緊急会議が開かれた。
「実はボク、犯人達を見たんだ……」
マッキーがニコニコ笑顔のまま神妙な声で言った。
「何だって? どんなヤツらだった?」
「目と耳がふたつずつあって、耳はとんがってなくって、鼻と口はひとつずつで手足がボク達より長くって、身長もボク達の二倍はあったね」
その特徴を聞けば、もう考えるまでもなかった。
「それって要するに人間じゃん? 最初からそう言えよ」
「そうだよ、それ! 人間ってのが出てこなかったんだよ!」
ヒマワリは種の詰まった花の部分だけを持って行かれていた。
何に使うのかは知らないが、どう考えても商用目的だろう。
「やられたのは西のヒマワリだけだろ? 犯人は多分また戻って来るんじゃないかな」
ヒマワリは年中食べられるよう、島の四方に時期をずらして植えてある。
また狙われるとすれば、次は北だ。
「オレ達の大事な食料を奪うたぁな。今に目にもの見せてやる」
「ああ。非力だからってなめんなよぉ?」
食べ物の恨みは恐ろしい。
オイラ達はニコニコ笑顔を不敵に歪ませ、次の犯行を待ち構えた。
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