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***
それから何週間かが過ぎた、とある深夜。
ぼとん ぼとん
とうとうヒマワリ畑で鈍い音が鳴りだした。
「しっかし、こんなもんがあんな高値で取引出来るとはなあ」
「ここでしか採れない貴重なもんだからな。この種から抽出した油が、貴族の間で大流行しているらしい」
「大陸から離れた島だし、相手は貧弱なコロポ族だろ? 報復があったって怖くねぇよな」
談笑まじりに作業を続ける、五、六人の男達。
足元には、無数の大きなヒマワリの頭がゴロンと転げている。
その時、ザッ! と、ヒマワリ畑の陰から小さな五つの影が飛び出した。
「今の話、全部聞かせてもらった!!」
「許さないぞ! この盗っ人ども!!」
「ウチら何かカッコ良くない?」
「だよな!」
「って、ああっ!?」
人間だけだと思っていたら、一人ドワーフが交じっている。
オイラはそいつをよーく知っていた。
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