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少年6人の作戦会議は、夜遅くまで続いた。
翌日から、彼らは動き始めた。
もしかしたら勝てるかもしれない、という一縷の望みをかけて。
そして、勝負の当日。
体育館では女子部のレギュラーがアップを済ませ、補欠部員達は上方のギャラリースペースに陣取っていた。
男子部が体育館に入ると、かなりアウェーな空気だった。
だが、大星は落ち着き払って「なんだ、姿月出るのかよ」
「出るよ。言ったからには」
「男らしいねえ」
「うるさい」
大星は、光成と水野に手で合図した。
2人が開けた体育館の扉から、「おーここでやんの?」「ちわーす」と口々に言いながら、大人数の男子生徒が入ってきた。
「見物? こんなに?」
怪訝な表情の姿月とは対照的に、女子部員達から小さな悲鳴のような声が上がった。
「……サカイ先輩じゃない?」
「……ウエクサくんだ」
「……うそ、ヤジマ先輩じゃん」
「サトシきたの? 呼んでないのに」
動揺はコート内のレギュラーにもあり、3人のメンバーが手を取り合わんばかりにして「え、どーするどーする?」と興奮していた。
「なにこれ、どういうこと?」
眉間にしわを寄せる姿月を、大星はさあねーとはぐらかす。
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