王子様とお姫様

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***** また姫様は元気はつらつな走りを見せて去ってしまいました。 わたしの受け答えがいけなかったのでしょう。 もっときちんと、はっきりと伝えないと。 メイドに相談すると。 「前に王子様が仕立て直した靴をお返しして、自分のお心を正直に仰ればきっと大丈夫でしょう」 こんな素晴らしい助言をもらっては感謝だけでは足りないと思い、今度兄に良き計らいをとお願いし、私は再びパーティーの席で姫様に声をかけました。 「姫様、前にお忘れになった靴をお返しします」 「これは…………」 「姫様のドレスに合うように靴を豪華に仕立て上げました。さあ、どうぞお履きになってください」 「とても嬉しいのですが、その…………あのときの靴は片方だけになってしまったので処分してしまって…………」 「なんと!」 どうやら初恋の病は重症らしく、こんな簡単なことにも気づけなかったのです。 それはそうでしょう。 片方無くしたらもう片方は捨てるでしょう、誰でも。 「これは忘れてください。また機会を改めて今度こそ姫様に喜んでいただきます!」 「でもこの靴に合うものを新しく新調すれば、私はとても嬉し…………王子様!?」 わたしはもう二度と失敗はしまいと心に誓い、パーティーを抜け出して城に戻りました。
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