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そんなある日、少年はふとあることに気が付きました。
少しずつ、少しずつでしたが確実に力を使える時間が減っていること、体調もすぐれない日も増えていっていることに。
人々もそのことに気が付き始めましたが、気付かない振りをしました。
少年のことより、この不思議な力の恩恵を受けることを優先したのです。
それでも心優しい少年は人々のために身を犠牲にしてまで力を使い続けます。
とうとうある日の朝、力を使えなくなった少年はパタリと倒れてしまいました。
この日も少年の周りには沢山の人が集まっていましたが、倒れた少年を見ると足早に帰っていきました。
自分のせいではないぞというように。
誰も助けようとはしません。
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