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窓ガラス
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庭先には、クリスマスのデコーが並び、仕事帰りの夜には、そのデコーがライトに照らし出され、昼間よりもキラビヤカに輝く。
大きなお店の出口には、赤いエプロンを付けたサルベーションアーミー(救世軍)のボランティアが、手に持った鈴をチリンチリンとけたたましく鳴らしながら、赤く塗られたバケツに募金集めをしている。
そんな季節がまた過ぎて行った。 いつものクリスマスを思わせる風景だが、それが終わると、祭りの後の様に静かになり、何処となく寂しい気分になる。
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その日も、店で使う野菜を買って、出口にあるそのバケツにお釣りの小銭を入れる。 何時からこんな事をする様に成ったのかは記憶にないが、20代の頃ではない。
むしろ昔は、そうゆう事を自己満足だと、毛嫌いしていた。
その日、仕事がハネタ後、この辺りでは珍しいパンクやメタルといった、激しい音のバンドが演奏するライブハウスに行った。
80年代前期から活動しているパンク/スラッシュのバンドを見る為に。 毎年この時季に成ると彼等はこの街にやって来て、ライブをする。
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